たまにはポジショントークを。
- norikokagawa
- 5月27日
- 読了時間: 6分

何ヶ月も前から企画を練り特設webサイトがまもなく完成というタイミングの10周年記念イベントを、出演者の方から突然キャンセルされて今から企画を1からやり直しで泣いていますメイクアップアーティストが福岡は久留米より22時をお知らせいたします。
いろいろ思うことはありますが全てを飲み込み今から大至急やり直します。誰かビール奢ってください。
さて、そんな人知れずよく働くこの頃ですが、仕事って本当に氷山の一角だなとしみじみしておりますが、生き残るって大変ですね。
(突然渋い話)
私は今日もちゃらちゃら生きておりますが、こう見えて(どう見えて)、案外色々考える生き物だったりします。
中でも、"仕組み"みたいなことには敏感です。
商流と言いますか、市場構造と言いますか、それらについては結構クールに捉えている方だと思います。
大好きな森岡毅さんも市場構造には逆らうな、とよくおっしゃっていますし、両学長も商流を考えろとよくおっしゃっていますが、私はそれを盲信しております。
今朝のInstagramで珍しくその界隈のことに少しだけ触れてみましたが、今日はそのあたりのお話を。
Instagramは基本的に平和に運営したいので、あまり角のあるお話はしない派ですが、でもここをぼやかすとatelierRがぼやけると思ったので今夜は珍しく。
なぜ、コスメカウンターで"似合うメイク"に出会えないのか。
です。
ここからはあえてクールに参りますのでよろしくお願い申し上げます。
デパートのコスメフロアは、本当に素晴らしい。私も大好きです。ここは大前提で参りたいと思いますが、コスメフロアの商流を考えてみましょう。
まずは、百貨店という箱が存在します。
そこには、地代や人件費や光熱費や広告宣伝費やとにかく経費が発生しています。
それはそれは想像をはるかに超える規模の。
百貨店は(昔はよかったとかはさておき)、集客力があります。
または、"信用"があります。
その集客力と信用を持って、さまざまなな企業(ブランド)に土地(売場)を販売しています。
ブランドはその土地を買っているわけですので、それに見合う利益が見込める商品をそこに陳列します。
そして、いくら信用のある土地を買えていたとしても、ただ陳列しただけでは簡単に売れません。
そもそもどの土地を買えるかの戦いもあり、その後に、計算されつくした店構え(ディスプレイ)を用意し、それを消費者に届けるラストワンマイルには"人"を配置します。
そしてブランドは、その土地に支払っている地代に加えて、自社でも広告宣伝費をかけて様々な手法でプロモーションを行います。
そんな風に土地とプロモーションで、ある程度の勝負は決まってしまいますが、最後の最後は"人"がそこを後押しします。
ですが。
コスメカウンターの“人“はブランドの顔とも言えますが、とはいえ、全体の構造で見たときには
そもそもの商品力
プロモーションにかけられる予算も含め戦略
どの土地を手に入れられたか
の方が圧倒的に売上を左右するのです。
とはいえ、ラストワンマイルの"人"がブランドにふさわしくなければブランドは毀損されてしまいます。
なのでどのブランドもリクルートや人材教育には予算も労力も投下します。
が、だとしてもやはり、ほとんどのブランドがここに苦戦しているのは間違いないと簡単に予想されます。
美容部員の平均勤続年数は3年と、私が入社した20年ほど前には言われておりました。
3年で辞めてしまう確率の高い人材に、どこまで企業が投資できるのでしょう。
(もちろん、それもブランドによりけりですが)
私の勤めていた某ブランドは、その中でも比較的人材への投資をしていた方だと思っています。ありがたかったです。
が、美容部員の求人を見てみてください。
答えは火を見るより明らかです。
ちなみに、これはブランドも、働き手のことも全く否定していません。
デパコスを誰よりも愛して、美容部員という仕事に20代の全てを捧げた私は、どちらにも最大限の敬意を払っています。
言及したいのは、市場構造のお話です。
大量生産された化粧品を、大量に売らねばならないその土地で、整理券が配られる戦いのような空気さえ流れる限られた時間内に、3年でその場を去ってしまう確率の高い人材が、会社から膨大な投資もされずに、どうやって、会ったばかりの見ず知らずの女性ひとりひとりにオーダーメイドなメイク提案ができましょう。
コスメカウンターの価値とは、そこではないのです。
私たち消費者はそこは冷静になり、そこで享受できうるサービスだけを求めて幸せな気分になる方が建設的ではないでしょうか。
それってなんでしょう。
コスメカウンターの魅力は数えきれませんが例えば、
まずはその土地。
新宿、銀座、渋谷。
キラキラしたその街にある、キラキラした空間でお買い物を楽しめること。
そして、その商品力。
世界中からみても圧倒的なほどに磨きのかかった化粧品の最新を。
そして、人。
商品の知識や使い方を熟知した美しい美容部の方々から丁寧に説明を受ける。
さらに高級感のあるバッグに入れてもらってそのバッグを片手に下げて街を歩けば、もうそれだけで十分私たちは満たされるではありませんか。
私に似合うメイクをコスメカウンターでは教えてもらえない。
その通りなのです。
だからatelierRは生まれました。
愛するデパートコスメと戦うでもなく、しっかりとその価値に乗っかって。
コスメカウンターでは補うことは構造上難しい、
"その人のためだけに、その人に似合うメイク提案をする。ブランドの垣根を越えて。"
を、勝手に担ってみようと思ったのです。
あ、ちなみに当たり前すぎて今回は触れませんでしたが、この構造上、"ブランドの垣根を越える"何かは、百貨店で生まれることは難しいというのもお察しいただけるかと思います。
atelierR Personal Makeup Lesson といぅものが、全女性に必要なサービスだとはもちろん思っておりません。
ですが、私なら、欲しいサービスなのです。
ということは、極小マーケットだとしても、同じ気持ちの女性は必ず存在すると信じて、この10年を走り続けてきましたし、これからもその予定です。
と、いうわけで、やや渋めな記事となってしまいましたし、言われんでもわかるわ、と思われれる方も多いとは思いますが、atelierRのポジショントークでございました。
結論。
デパートコスメは本当に素晴らしい。
ブランドも美容部員さんも百貨店もみんなみんな素晴らしい。
そして、それに加えてatelierRも上手く使っていただけると幸いです。
Personal Makeup Lesson でお待ち致しております。
(潔いほどのポジショントークでした)
それでは今日も1日お疲れ様でした。
noriko
本日のお写真はatelierR1周年記念イベントの1枚です。
このお話はまた今度。
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