徳島新聞とCHANELのブラシと。
何があっても365日ブログを欠かせないことが自分との小さな約束でしたが、2日間、お休みさせていただきました。
2日前、大好きな祖母が旅立ちました。
97歳。私の祖父母の中でも1番の長生きでした。
何歳になっても、虫眼鏡(?)みたいなものを使ってでも、毎日徳島新聞(徳島の地方紙、占有率おそらく90%みたいな支持率のすごい新聞です)を端から端まで読むようなひとで
80代の頃まで、
行けるなら今からでも大学に行きたい
と言っていました
祖母はとても厳しいひとで、子供のころから、そして大人になった今も、他の祖父母たちのように懐くことができなかったように思います。
そんな祖母の願うような道に進まなかった私は、どこか後ろめたく。
わたしだけ浮いている気がして、親族の集まりもとても苦手でした。
祖母はとても真面目で、華美なことをあまり好まないひとでした。
お化粧をしていることはあまりなく、口紅を塗っているようなところは一度も見たことがありません。
祖母の化粧品といえば
シンプルな化粧水と乳液、そしてパウダーファンデーションとそのスポンジ。
これくらいでしたが、
美容部員だった私の成績になるならと、お買い物をしてくれたりしていました。
そしてどこかで、祖母に申し訳ないという気持ちなのか、祖母にも認められたいという思いなのか、
独立した頃は
"徳島新聞に記事にされること"
をなぜかずっと意識していたように思います。
私は
"メディアに取り上げられること"
にかなり興味がなく
ローカルな地方紙や雑誌に掲載されることは、むしろノイズだとすら思っています。
(失礼ですみません。でも、atelierR が届けたくないところまで情報がとどき、アシスタントもスタッフもいない中、謎の問い合わせへの対応が大変で、極力、地元のメディアには触れられないようにしています)
ですが、何か公益性のある感じの取り組みをする際は徳島新聞に載せてほしいなと口にするので、昔の彼にも、なんでそんなこと欲しがるの?と不思議に思われていました
おそらく
毎日徳島新聞を読む祖母に、私の存在を見つけて欲しかったのだと、今では思います
そんな祖母の旅立ちの連絡を受け、東京から急遽四国へ。
母から、最期のお化粧を頼めないかと言っていただき、初めて祖母にお化粧をさせてもらいました。
生きていたら、なんて言ってくれたんだろう。
華美なものが好きではなかった祖母には、どこまでもナチュラルなメイクを。
そして、眠っているかのように見えるような自然な血色とツヤを。
"してないみたいにみえる" フルメイクは、
1時間半かかりました。
そして最後に、ほんのりと口紅を。
最初で最後の、おばあちゃん孝行に少しはなったでしょうか。
メイクが完成した祖母の顔をみた父が
ばあちゃんが口紅塗ってるのははじめてみた
今までで一番キレイだと
嬉しそうにしてくれていて、涙が止まりませんでした。
最後、旅立つ祖母の思い出の品が、ひとつひとつ眠っている祖母に添えられていく中に、祖母が旅立った日の徳島新聞がありました。
そして偶然その日は、父の誕生日でもありました。
そして私は、祖母にさせてもらったメイク道具一式を添えました。
天国で使ってはくれへんやろけど、まぁそう言わずに入れとくね。
私のお気に入りのCHANELのファンデーションブラシも入れとくね。
パウダーファンデーション、スポンジで塗るよりツヤがでるからね。試してね。
半ばおしつけがましく、添えました。
"最期のお化粧" は、
今回で3回目。
その度に、この仕事をしていてよかったと思い
メイクってなんだろう、と考えさせられます。
私はこんなにも無な気持ちでいますが、世の中はいつも通り。
不思議な気持ちです。
さて、大阪に戻ります。
明日からまた、Personal Make Lesson な日々が待っています。
レッスンの予約を変更してくださった皆さま、打ち合わせなどリスケジュールしてくださったお仕事仲間の皆さま、心から、ありがとうございました。
そしてみなさま、
明日からまた、
このなんでもないブログにお付き合いをいただけますと幸いです◎
それでは今日もお疲れ様でした◎
noriko
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